職場や日常業務において、お客様とのトラブルやカスタマーハラスメントに直面することは少なくありません。こうした場面で重要なのは、会社や施設の方針を理解した上で、法律に基づいた冷静な判断を行うことです。本記事では、トラブルやカスタマーハラスメントに対処するために現場で活用できる法的判断のポイントを、わかりやすく解説します。
1. まずは会社や施設の方針を設定し、周知する
トラブルへの対応をする前に、まず組織全体でカスタマーハラスメントに対する方針や対策を設定し、従業員全員に周知することが必要です。これにより、従業員が一貫した対応を取れるだけでなく、迷ったときに判断基準となる指針を持つことができます。
例: 会社が「威圧的な態度や暴言は一切受け入れない」という方針を明確にしている場合、従業員はその方針に従って対処することができます。これにより、現場での迷いや不安が減り、迅速かつ適切な対応が可能になります。
2. 法的判断は現場での判断力を高めるためのもの
カスタマーハラスメントやトラブルに直面した際、基本的な法律知識を持っていると、現場での一次判断がより正確で冷静なものになります。特に、刑法で定められているような「やってはいけないこと」に関する法律は、直感的に理解しやすいため、学習しやすく、現場での判断にも役立ちます。
例: お客様が「商品の返品に応じないなら店を潰してやる」などと威圧的な発言をした場合、それが脅迫罪に該当するかどうかを判断できるようになります。このように直感と一致する法律は、従業員が覚えやすく、現場でも活用しやすいのです。
3. カスタマーハラスメントに関わる代表的な法律
具体的にカスタマーハラスメントへの対応で関連する法律には以下のようなものがあります。これらを知っておくことで、相手の行為が法的に問題があるかどうかを現場で判断できます。
暴行罪: 相手が身体に触れる、押す、叩くなどの行為を行った場合に適用されます。
脅迫罪: 「殴るぞ」や「会社に損害を与えてやる」といった威圧的な発言を行った場合に該当します。
業務妨害罪: 正当な理由なく業務を妨げる行為があった場合に適用されます。例えば、大声で怒鳴り続けるなどの行為がこれに該当します。
侮辱罪: 具体的な事実を示さずに、相手を見下すような言動を行った場合に適用されます。
名誉毀損罪: 具体的な事実を示して相手の社会的評価を低下させるような発言を行った場合に該当します。
4. 現場での法的判断のステップ
実際にトラブルが起きた際には、次のようなステップで法的判断を行いましょう。
ステップ1: 相手の言動を冷静に観察する
相手の要求や言葉が上記の法律や会社の方針に違反しているかを確認します。
ステップ2: 自分や組織のルールと法律を照らし合わせる
相手の行動が法的に問題がある場合は、その根拠を持って対応することが大切です。具体的な法律や会社の方針を引用して伝えると説得力が増します。
ステップ3: 判断に迷ったら上司や法務担当者に相談する
法的判断に不安がある場合や、トラブルが深刻化しそうな場合は、必ず上司や法務担当者に相談してください。専門家の意見を仰ぐことで、適切な対応策を見つけられます。
5. 法的判断がもたらす安心感
法的判断を現場で活用することで、自分が正しく対応しているかどうかを確認できるため、従業員自身の不安が軽減されます。また、法的に根拠を持って対応することで、相手からの不当な要求やハラスメントを抑止する効果も期待できます。
まとめ
カスタマーハラスメントやトラブルに対処する際、まずは会社や施設の方針を理解し、それに基づいて行動することが重要です。その上で、現場での法的判断は非常に役立ちます。刑法で定められた内容は直感と一致することが多いため、基本的な知識を持っているだけでも現場レベルの一次判断に十分活用できます。
こうした知識を活用し、トラブルに対処する力を身につけることで、より安心して業務に取り組むことができるようになります。
最後に、SIPでは、病院をはじめとする各施設向けに、防犯対策やカスタマーハラスメント対策を総合的にサポートしています。元警察官や専門家の経験を活かし、現場の状況に即した最適なソリューションを提供します。また、経験則だけではなく、実践理論に基づいた効果的な提案により、お客様の安全に貢献します。私たち独自のフレームワークを用いて、お客様のニーズに合わせた防犯戦略・計画・マニュアルを一緒に構築し、それらを基にした具体的な施策の提案、従業員教育などにより、施設全体の安全を強化するお手伝いをいたします。防犯やカスタマーハラスメント対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
Comments