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カスハラ対策の評価と改善:効果の持続と適応力の強化

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、従業員と組織の安全を総合的に守るために必要不可欠なものです。策定したカスハラ対策が実際に現場で効果を発揮しているかを確認し、継続的に改善していくことで、持続可能で効果的な対策体制を築くことができます。防犯対策と共通する手順で進めることができますが、導入者の状態や事情に応じて、カスハラ対策と防犯対策を一括で実施するか、個別に対応するかを柔軟に調整することも可能です。


本コラムでは、このプロセスの最後の段階である「評価と改善」について解説します。





評価と改善を行う意義

カスハラ対策や防犯対策は、一度策定しただけでは万全とは言えません。状況やリスクが時間と共に変化するため、実施した対策の実効性を確認し、必要に応じて見直しを行うことが重要です。この「評価・改善」のプロセスを定期的に行うことで、組織の対応能力が向上し、長期的な安全が維持されます。対策の手順は防犯の対策と同様、以下の通りですが、め、必要に応じて後戻りをしながら修正し、完成させていきます。



カスハラ対策・防犯対策における基本手順例

  1. 戦略の策定

    ・目的の設定

  2. 計画の作成

    ・守るべきものの一覧化

    ・脅威の一覧化

    ・対策の範囲とスコープの明確化

    ・全体像の把握

    ・組織体制の構築

    ・脆弱性の一覧化

    ・対策の策定

  3. 評価・改善

    ・評価方法の作成

    ・改善プロセスの構築


今回は「評価・改善」に焦点を当て、カスハラ対策における具体的な評価方法と改善プロセスについて解説します。



評価方法の作成:実効性を確認する

カスハラ対策が実際に現場で機能しているかを確認するため、評価方法の策定が必要です。効果測定を行うことで、何が機能しており、どの部分に改善の余地があるのかを明確にします。


1. 実施状況の確認

定期的にカスハラ対策の実施状況を確認し、現場での適用状況を把握します。対策が確実に行われているか、また従業員が困惑せずに対応できているかを見極めるため、現場ヒアリングやアンケートを実施し、具体的なフィードバックを収集します。

2. KPIや評価基準の設定

カスハラ対策の効果を数値化するため、評価基準(KPI)を設定します。例えば、「対応スピード」「エスカレーションの正確性」「被害報告件数の減少」など、カスハラのリスク軽減に直結する項目を指標として設定し、効果を測定します。

3. 継続的なモニタリング

定期的なモニタリングにより、状況が変化した際にも迅速に対応できる体制を整えます。たとえば、季節や社会状況の変化によりカスハラのリスクが増減することも考えられるため、定期的にデータを収集し、効果を確認します。



改善プロセスの構築:フィードバックを基に強化する

評価で得た情報をもとに、カスハラ対策の改善プロセスを構築します。これにより、実効性がさらに向上し、現場での対応力が強化されます。


1. 改善点の特定

評価で明らかになった課題を分析し、具体的な改善策を特定します。例えば、従業員の対応に迷いが見られる場合、マニュアルの内容を充実させる、報告フローを再整備するなど、課題に応じた対応策を検討します。

2. マニュアルの更新

実際の状況に即したマニュアルを維持するため、定期的に内容を更新します。特に、フィードバックを基に改善された対策や新たな手順を反映し、現場で迷いなく行動できるようにすることが重要です。従業員が新しい内容に習熟できるよう、再教育や研修も定期的に実施します。

3. 継続的な改善体制の整備

改善プロセスが一度で終わることのないよう、定期的な改善のルーチンを構築します。毎月の評価や改善のためのチームミーティングを定期的に実施し、必要な場合には速やかに見直しを行う体制を整えます。



評価・改善プロセスの効果

定期的な評価と改善を行うことで、カスハラ対策は次のような効果をもたらします。


  • 対策の精度向上:評価で得られたフィードバックを基に対策を改善することで、現場に適した精度の高い対策が実現します。リスクの特定と対応の優先順位を継続的に見直し、最適化することで、組織全体での対応が確実になります。

  • リスク低減:早期に問題点を把握し、効果的な改善を行うことで、発生し得るリスクを最小限に抑えられます。状況に応じた調整を行うことで、従業員が必要とするサポートや安全対策が的確に提供されます。

  • 従業員の安心感の向上:対策が現場に適用され、現場での具体的なニーズに沿って更新されることで、従業員は業務への安心感を持ち、日常業務に取り組むことができます。



まとめ

カスハラ対策における「評価と改善」は、対策の実効性を確保し、持続可能な対応体制を築くために不可欠な要素です。実施した対策が現場で効果を発揮しているかを定期的に確認し、継続的に改善することで、長期的な安全確保が実現します。次のステップでは、得られたデータやフィードバックを基に、さらなる対策の強化や従業員教育を進めていくことが重要です。



SIPのサポート体制について

SIPでは、医療機関、学校、店舗などの各施設に合わせた防犯対策やカスタマーハラスメント対策の総合的サポートを提供しています。元警察官や防犯の専門家が現場経験を活かし、各施設のニーズに即した最適なソリューションを提供しています。


SIP独自のフレームワークを用い、お客様のニーズに合わせた防犯戦略、計画、マニュアルを構築し、具体的な施策の提案や従業員教育を通じて施設全体の安全強化をお手伝いします。防犯やカスタマーハラスメント対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県を中心に全国対応しております。

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