top of page

防犯戦略・計画の基本:「目的の設定」と「脅威の洗い出し」の重要性

防犯対策を効果的に行うためには、単に防犯カメラを設置したり、警備員を配置したりするだけでは不十分です。まずは、組織全体で防犯戦略の「目的の設定」と「脅威の洗い出し」を行い、その上で適切な対策を講じることが重要です。これらの初期段階の取り組みが、防犯対策の精度を高め、リソースを効果的に活用するための鍵となります。



1. 目的の設定:防犯対策の軸を明確にする

防犯戦略を立てる際、まず最初に取り組むべきなのは「目的の設定」です。目的が明確でなければ、防犯対策が単なる「行動」になってしまい、効果が期待できません。目的を明確にすることで、対策の方向性が定まり、従業員全体で共通の意識を持つことができます。

目的設定のポイント

  • 何を守るのかを明確にする:自社にとって最も守るべきものは何なのかを明確にしましょう。たとえば、顧客情報、製品、従業員の安全、資産など、守るべき対象は多岐にわたります。

  • どのようなリスクから守るのか:盗難、情報漏洩、不正アクセスなど、どのようなリスクから守るのかを具体的に設定します。

  • 達成すべき防犯目標を設定する:防犯対策を行うことで達成したい目標を明確にしましょう。例えば、「従業員の安全を最優先し、カスタマーハラスメントをゼロにする」「情報漏洩リスクを最小限に抑える」など、具体的な目標を設定することで対策が効果的になります。


目的設定の事例

例えば、小売店舗であれば「商品盗難の防止」が目的となる一方、病院では「患者やスタッフの安全確保」が目的となります。これらの目的が異なることで、防犯対策の手法や優先順位も変わってきます。そのため、まずは「何を守るための対策なのか」を組織全体で共有し、明確な目的を設定することが重要です。


2. 脅威の洗い出し:リスクを見極める

目的を設定した後に行うべきは「脅威の洗い出し」です。どんなに目的が明確でも、実際にどのようなリスクが存在するかを知らなければ、適切な対策を講じることはできません。

脅威洗い出しのポイント

  • 情報収集:まずは自社の過去の事例、業界のトレンド、周辺環境などからリスク情報を収集します。例えば、最近多発している犯罪やトラブル事例などを参考に、潜在的な脅威を特定します。

  • 脅威のリスト化:情報収集をもとに、考えられる脅威をリストアップします。例えば、「不審者の侵入」「顧客からのハラスメント」「従業員による情報漏洩」など、脅威の種類や起こりうる状況を詳細に記載します。

  • 脅威の優先順位付け:リストアップした脅威を、発生頻度や被害の大きさ、対応コストなどの観点から優先順位を付けます。この優先順位に基づいて、どの脅威に対して重点的に対策を講じるべきかを判断します。


脅威洗い出しの事例

例えば、オフィスビルの場合、主な脅威には「不正侵入」「従業員のセキュリティ意識の低下」「災害時の対応不足」などがあります。これらをリストアップした上で、例えば「不正侵入は発生頻度は低いが、被害が甚大なため優先順位が高い」「セキュリティ意識の低下は被害は軽微だが頻度が高いため、定期的な研修が必要」といったように脅威の優先度を決めていきます。


3. 「目的の設定」と「脅威の洗い出し」が連動した防犯対策の構築

「目的の設定」と「脅威の洗い出し」は、連動させることでより効果的な防犯対策を構築することができます。目的が明確であれば、脅威の洗い出しにおいてもどこにリソースを集中させるべきかが判断しやすくなります。また、脅威の洗い出しによって具体的なリスクが見えてくることで、防犯対策の目的もさらに具体性を持ち、実効性のある対策を講じることが可能となります。


まとめ

防犯戦略・計画において、「目的の設定」と「脅威の洗い出し」は、最初に取り組むべき非常に重要なステップです。この2つのステップを丁寧に行うことで、防犯対策の効果は格段に向上し、無駄なコストやリソースの浪費を防ぐことができます。防犯対策を成功させるためには、まず何を守るべきか、どのような脅威が存在するのかをしっかりと把握し、明確な方向性を持って取り組むことが肝心です。


最後に、SIPでは、病院をはじめとする各施設向けに、防犯対策やカスタマーハラスメント対策を総合的にサポートしています。元警察官や専門家の経験を活かし、現場の状況に即した最適なソリューションを提供します。また、経験則だけではなく、実践理論に基づいた効果的な提案により、お客様の安全に貢献します。私たち独自のフレームワークを用いて、お客様のニーズに合わせた防犯戦略・計画・マニュアルを一緒に構築し、それらを基にした具体的な施策の提案、従業員教育などにより、施設全体の安全を強化するお手伝いをいたします。防犯やカスタマーハラスメント対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

Comments


bottom of page