ブランド店は、特に高額な商品を取り扱うため、さまざまなリスクに直面しています。盗難に加え、近年では高級店を狙った強盗や強盗殺人のような強行的かつ重大な犯罪も発生しています。適切な防犯マニュアルを作成し、従業員とお客様の安全を確保することが必要です。本コラムでは、これらのリスクに対応するための防犯マニュアル作成の手法について解説します。

1. 防犯戦略・計画の中にマニュアルが存在すること
防犯マニュアルは、ブランド店の防犯戦略や計画の中に組み込まれるべきです。店舗全体のリスク管理の一環として作成され、日々の業務においても実践可能な内容でなければなりません。平時における予防のためのフローに加え、窃盗や強盗などのあらゆる非常時に対応できる、状況に応じた柔軟な対応が可能なように設計される必要があります。
2. 組織体制の全体像(外部機関含む)
防犯対策を効果的に実施するためには、内部の従業員体制だけでなく、外部機関との連携も欠かせません。ブランド店では、セキュリティ会社、警察、保険会社などの外部機関と緊密な連絡体制を築くことが重要です。たとえば、強盗が発生した場合、直ちに警察やセキュリティ会社に連絡し、犯人を逮捕するための協力を得ることが求められます。外部との連携体制をあらかじめ整備することで、迅速かつ適切な対応が可能となります。
3. 戦略・計画・方針・店舗の環境に則った対応フローの作成
現場の対応フローの作成
ブランド店では、強盗や窃盗などの犯罪に対処するための現場対応フローが必要です。たとえば、平時におけるチェックリストの実行や、ショーケースの前で異常事態が発生した場合で店の方針に則りスタッフが無理に抵抗せず迅速に避難する手順などを、明確に定めておくことが重要です。また、詐欺に遭遇した際のエスカレーションルールや、不審者を発見した際の通報手順なども踏まえてシンプルかつ包括的に設計されるべきです。防犯計画に則して導入した防犯設備の内容と連携できるような内容にすることも重要です。
管理職や会社としての対応フローの作成
管理職の対応として、現場で発生した事案に対して迅速に状況把握を行い、従業員の安全確保を優先するフローが求められます。例えば、強盗や強盗殺人などの重大事件が発生した場合、従業員の安全を確保した上で、保険会社への連絡や警察との連携などの対応フローを整備することが重要です。顧客対応やメディア対応も含め、管理職の判断がスムーズに行われるようなフローが必要です。
4. 現場フローと会社フローのリンクと連携
現場での即時対応と、店舗全体の管理体制が連携してスムーズに機能することが、事件対応の鍵となります。たとえば、詐欺行為を行おうとする人物が現れた場合には、現場スタッフがすぐに管理職に報告し、全体の対策が迅速に進むような報告体制が必要です。また、現場スタッフが事件の詳細を正確に報告できるよう、情報共有のためのシンプルなフローを作成しておくことも有効です。
5. 外部機関との連携とフローのリンク
強盗や強盗殺人事件などの重大な犯罪が発生した場合、警察やセキュリティ事業者との迅速な連携が不可欠です。ブランド店は外部機関との協力体制を強化し、事前に連絡先や連携方法を整備する必要があります。たとえば、事件発生時には警察に即時に通報し、犯人逮捕や被害拡大の防止に努めます。また、事件後の保険対応や法的措置も含め、外部機関との連携をあらかじめ想定しておきます。
6. 実践訓練、ケーススタディ訓練
盗難や強盗、強盗殺人に備えた実践訓練やケーススタディ訓練は、防犯マニュアルを現場で活用するために必要不可欠です。近年では高級店を狙った強行的な犯行も発生しているため、ブランド店のスタッフは、強盗などから命を守るための訓練も重要です。たとえば、不審な人物に対する積極的な声掛けや接客、強盗事件が発生した場合の逃げるルートや、犯人に抵抗せず商品の安全を確保するための行動などを、ケーススタディを通じて訓練することが効果的です。
7. 定期的な見直し、改善
防犯マニュアルは、定期的な見直しと改善が不可欠です。犯罪手口が進化する中で、最新の防犯技術や対応策を取り入れることが、店舗の安全を守るために重要です。たとえば、防犯カメラや顔認識システムのアップデート、防犯ガラスの導入など、技術的な強化も定期的に検討する必要があります。
まとめ
ブランド店における防犯マニュアル作成は、盗難や詐欺だけでなく、強盗や強盗殺人といった重大な犯罪にも対応できる包括的な内容でなければなりません。外部機関との連携や、現場での即時対応力を高める訓練を実施し、常に最新の対策を取り入れることで、店舗と従業員、そして顧客の安全を守ることが可能です。
最後に、SIPでは、病院や学校、店舗事業をはじめとする各施設向けに、防犯対策やカスタマーハラスメント対策を総合的にサポートしています。元警察官や専門家の経験を活かし、現場の状況に即した最適なソリューションを提供します。また、経験則だけではなく、実践理論に基づいた効果的な提案により、お客様の安全に貢献します。私たち独自のフレームワークを用いて、お客様のニーズに合わせた防犯戦略・計画・マニュアルを一緒に構築し、それらを基にした具体的な施策の提案、従業員教育などにより、施設全体の安全を強化するお手伝いをいたします。防犯やカスタマーハラスメント対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、を中心に、全国で対応しています。