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教育現場の安全を守る:学校向け防犯マニュアル作成ガイド

学校は、児童・生徒が日常的に通う場であり、教育活動を通じて社会と接する場所です。多くの生徒や教職員が集まり、不特定多数の来訪者も訪れるため、物理的な防犯体制を強化するだけではなく、学校全体として包括的な防犯対策を構築することが求められます。ここでは、教育現場に特化した防犯マニュアルの作成方法について解説します。



1. 防犯戦略・計画の中にマニュアルが存在すること

防犯マニュアルは、学校全体の防犯戦略や安全計画の一環として位置付けられるべきです。日常の学校運営に即した内容で、教師や生徒が緊急時にすぐに対応できる具体的な指針が必要です。校舎のレイアウトや周辺環境に応じてマニュアルをカスタマイズし、学校特有のリスクに対応した防犯方針が反映されることが重要です。


2. 組織体制の全体像(外部機関含む)

学校の防犯体制には、学校内部だけでなく、地域住民、警察、外部セキュリティ会社などとの連携が必要です。特に、登下校時や地域行事の際には外部の協力を得ることで、安全性を高めることができます。例えば、地域パトロール隊との連携や、学校と警察が連絡を取り合い、異常が発生した際には迅速に対処できる体制を整えることが求められます。


3. 戦略・計画・方針・施設の環境に則った対応フローの作成

現場の対応フローの作成

学校では、現場での即時対応が求められるため、シンプルで包括的な対応フローが重要です。特定のシナリオに依存せず、全ての職員がどのような状況でも迅速に対応できるように、基本的な判断基準を設定することが不可欠です。例えば、校門での不審者発見や、校内でのトラブル時の対応について、各教職員が一貫して行動できるようにするフローが重要です。安全確保、避難誘導、校内外の連絡を一つの流れとしてスムーズに行うことが求められます。

管理職や学校全体としての対応フローの作成

現場での対応に加えて、管理職や学校全体での意思決定フローも不可欠です。保護者への連絡、メディアへの対応、外部機関との連携について明確に定義し、状況がエスカレートする前に適切な対応を取るための手順を整備します。特に、事件発生後の対応や心理的ケアに関しては、児童・生徒の心情を考慮した適切な対応を行うことが重要です。


4. 現場フローと学校全体フローのリンクと連携

現場での対応と、校長や管理職の意思決定がスムーズにリンクすることが重要です。特に、報告体制を整えることで、現場で起きたことが即座に学校全体の対応へと反映される仕組みを作ることが不可欠です。例えば、教師が不審者に気づいた際、即時に管理職に報告し、避難指示や通報が円滑に行われるようなシステムを導入します。


5. 外部機関との連携とフローのリンク

緊急時には、外部のセキュリティ機関や警察との迅速な連絡体制が不可欠です。各事案に応じて、誰が外部機関に連絡するのか、どの段階で通報するのかを明確にし、学校の内部対応と外部との連携をスムーズに進めることが重要です。事案ごとの外部機関との連携基準をマニュアルに記載し、全教職員が迷わず対応できるようにします。また、事後報告や復旧、再発防止などについては、上記に加え、法律事務所などが連携して対応できる体制を構築しておくと良いでしょう。


6. 実践訓練、ケーススタディ訓練

マニュアルだけではなく、実際に訓練を通じて対応力を高めることが重要です。学校特有のシナリオ(登下校中のトラブル、校外での異常事態など)に基づいたケーススタディを用いた訓練を行い、教師や職員がどのように対応すべきかを体験的に学びます。特に、生徒を安全に誘導するための避難訓練や、非常時の対応訓練が重要です。


7. 定期的な見直し、改善

防犯マニュアルは一度作成して終わりではなく、定期的に見直しを行い、最新の技術や情報を反映させる必要があります。新しいセキュリティ技術(監視カメラや通報システムなど)の導入や、学校の環境変化に伴って、柔軟に対応を見直し、改善していくことが重要です。


8. カスタマーハラスメント対策との連携

防犯対策とカスタマーハラスメント対策は、共に学校の安全性を確保するための要素として密接に関連しています。本来、両者を統合して考えるのが理想的ですが、場合によっては防犯に特化するか、カスタマーハラスメントに焦点を当てるかを選択し、別途マニュアルを作成することで、具体的なニーズに対応することが可能です。


まとめ

学校向けの防犯マニュアルは、教職員全体が即座に対応できる体制を整えるための重要なツールです。外部機関との連携や、実践的な訓練を通じて、児童・生徒の安全を守るための包括的なアプローチを構築することが求められます。さらに、カスタマーハラスメント対策との統合も視野に入れ、学校特有のリスクに対応する柔軟な対策を講じていくことが大切です。


最後に、SIPでは、病院や学校、店舗事業をはじめとする各施設向けに、防犯対策やカスタマーハラスメント対策を総合的にサポートしています。元警察官や専門家の経験を活かし、現場の状況に即した最適なソリューションを提供します。また、経験則だけではなく、実践理論に基づいた効果的な提案により、お客様の安全に貢献します。私たち独自のフレームワークを用いて、お客様のニーズに合わせた防犯戦略・計画・マニュアルを一緒に構築し、それらを基にした具体的な施策の提案、従業員教育などにより、施設全体の安全を強化するお手伝いをいたします。防犯やカスタマーハラスメント対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、を中心に、全国で対応しています。

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