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日本危機管理学会誌『危機管理研究』第34号に査読論文が掲載されました

  • 5月28日
  • 読了時間: 3分

―組織や制度に潜む構造的リスクを、危機管理の観点から分析―


SIP(Security Innovation Project)共同代表の成田浩志による査読論文が、日本危機管理学会の学会誌『危機管理研究』第34号に掲載されました。

掲載論文は、「士業実務における情報セキュリティ『非顧客協力者保護の構造的欠陥』―制度の信頼を揺るがすシステム的脆弱性に関する危機管理的考察―」です。本論文は、士業実務を題材としながら、単なる情報管理や個別トラブルの問題ではなく、組織や制度の中に潜む構造的リスクを危機管理の観点から分析したものです。



危機管理における「構造分析」の重要性

危機管理において重要なのは、表面に現れたトラブルだけを見ることではありません。

なぜその問題が起きたのか。どの段階で判断が曖昧になったのか。誰がどこまで責任を負うのか。記録、同意、説明、外部連携の仕組みは整っていたのか。個人の善意や経験に依存しすぎていないか。こうした構造を整理しなければ、同じ種類の問題は形を変えて繰り返されます。

本論文では、士業実務における「非顧客協力者」という立場に着目し、制度や実務の中で見過ごされやすい保護の空白を、危機管理上の構造的脆弱性として分析しています。



個人の問題ではなく、制度・組織の設計問題として捉える

実務上のトラブルは、ともすれば「担当者の判断ミス」「説明不足」「相手方との相性」といった個別要因として処理されがちです。しかし、実際にはその背後に、


  • 判断基準が明確でない

  • 責任分界が整理されていない

  • 記録や同意の仕組みが不十分

  • 第三者を保護する運用が標準化されていない

  • 外部との連携や説明責任が設計されていない


といった構造的な問題が存在していることがあります。

本論文は、こうした「平時には見えにくいが、有事には制度全体の信頼を揺るがし得るリスク」を、危機管理学的に可視化することを試みたものです。



SIPの実務における位置づけ

SIPでは、危機管理・防犯・法務・情報セキュリティ・組織運用を横断し、複雑なリスクを「組織の防御構造」として設計することを重視しています。今回の論文で扱った題材は士業実務ですが、そこで用いている視点は、学校、医療機関、企業、施設運営などにも共通します。

たとえば、保護者対応、カスタマーハラスメント、ペイシェントハラスメント、不審者対応、内部不正、情報管理上のトラブルなども、単に個人の対応力だけで解決できるものではありません。必要なのは、問題の背景にある構造を整理し、判断基準、責任分界、記録、外部連携、運用フローとして再設計することです。

SIPでは、こうした危機管理学的な構造分析の視点を、各種マニュアル、対応フロー、研修、外部連携体制の設計に活用しています。



論文情報

論文名

士業実務における情報セキュリティ「非顧客協力者保護の構造的欠陥」―制度の信頼を揺るがすシステム的脆弱性に関する危機管理的考察―

著者

成田 浩志

掲載誌

危機管理研究 第34号

発行

一般社団法人 日本危機管理学会

掲載時期

2026年4月


今後について

SIPでは、今後も危機管理・防犯・法務・情報セキュリティ・組織運用を横断し、現場で実際に機能する判断基準、対応フロー、外部連携体制の設計に取り組んでまいります。また、実務で得られた知見を研究・理論化し、研究成果を再び現場に還元することで、属人的対応に依存しない危機管理の社会実装を進めていきます。

 
 
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